2025/04/02
第2回インタビュー「森の自然こども園東本梅の自然保育」(4)地域の中で育つこと
園と自然保育について
1.自然の中で遊ぶこと
_川遊びだけど、「川に来たからみんな川で遊びなさい。」ではないのがいいなと思って見ています。
【仲田】
川遊びは川入ってその泳いだり、生き物探すだけが目的じゃないからね。よくあのボルタリングみたいなことをしたり、色んなことしてるんですよ。なんか色んな遊びをするでしょう。
その自然を使ってなんか育ててるだけで、その川遊びだけが目的ではないからね。
園庭で遊んでいても、まあ鬼ごっこもしてますけれど、例えばこの時間に虫探そうとかそういう子もいるしね。何か違う遊びをしたり、僕はここが見たいとか、そういう風にできるから。それはいいものだと思いますよ。
別に生き物取らんでも、石を並べて遊んでても構わない。実際に行って、その時々に遊びを作っていくみたいな感じね。自由に自分の興味関心があったことに向かうのが面白いよね。


_でも、危ないから〇〇はしないという約束事を最初に伝えたら、言われたことはみんな基本守れてるので、上手にされているなっていう風に思います。
【神谷】
自然保育ってね、面白いけれども、危険もつきものですよね。ヘビとか、生き物で危険なものもいるし。だから木登りしてても落ちるかもしれないとか、川だったら溺れるかもしれないとか、そんなのも含んでの自然保育ってことも知っておかないといけないし、それを共有しておくというのがすごく大事だなと思います。
その点においては、好きなことをどうぞやってっていうのだけでもあかんっていうか。
だから、職員として、やっぱりすごく資質というか、連携とかがすごく大事やなって思います。じゃあどうぞと言ってすぐできるものでもないというか。その辺をちゃんと積み重ねて引き継いでいくことが大事だなと。
【仲田】
いいことばっかりではなくてリスクはあります。確実にね。
自然というのはもう日々変化しているし。ここにね、突然にマムシが出てくることはないですけど、自然界には昨日いなくっても今日いるかもしれないし、さっきいなくても今いることもあるしね。
そういうことも考えながら、起こりうることは事前に全部サーチしといてやろうと思っていますね。
2.地域の「人」が一緒に支えてくれる
【神谷】
地域の人が同じスタンスでいてくれてるっていうのは、すごくありがたいですね。
畑にしても、田んぼにしても、したいと思っても、いつの時期に何をするかわからなかったり、水やりもずっと行けないとかいうことがあるんですけど、それをずっとサポートしてくださって、園と一緒に子どもたちを見てくれてはる。
地域と一緒にやらせてもらってるところが、やはり東本梅はすごい大きいと思います。園のやりたいことをやらせてくれる。
いつも年の初めにね、こんなことが提案できますけど、何がやりたいですか?今年は何を畑に植えたいですか?って聞かれるの。それが本当にありがたい。

【仲田】
自然保育やらせてもらったり、色んなことをやっていますけどね。例えばそれが「事象」としたら、この「事象」という言葉を分解すると、「人」とプラス「物」と「事」で、すべての人間生活は成り立ってると思うんですよ。
「物」は、この自然保育で言ったら色んな自然。田んぼとか竹がずっとあるんですね。その中で色んなことを体験をしてみたりする。
でもよく考えていったら、「物」はあるんだけど「事」は誰がしているんだといったら「人」がしてる。そうすると突きつめていったら「人」なんですね。
「人」も個人とかグループとかありますけれど、「わの会」のサポートとかはまっすぐ「人」なんですよね。そこが一番、私は大きいと思っていますね。
保育所の保育士さんだけでやっていくと、こじんまりして、「人」と関わりを持たないから、広がりがない。多分、他の園はそんな感じだと思います。特に中心部とか街だったら関われないからね。
ここはそういう皆さんと関わりを持って色々なことをやっている。
畑には畑の先生がいて、陶芸だったら陶芸家の先生の所に行って、その環境に基づいてなんかやっていく。
やっぱりあの小さい年齢から本物に会わせておいた方がいいんですよ。
それから発信という面でも、僕らにしても、このインタビューみたいに考える機会は大事。
そうでなかったら日常に流されるんですよ、どうしてもね。
やっぱり機会を持って振り返ってやっていかんことには薄れていってしまうような気がするから、こういった形でなんかやっていくのは、大切なことだと思いますね。
【田畑】
こんなこともあったな、あんなこともあったなって振り返れるっていうか、本当によかったです。
【神谷】
ずっと一緒に保育をしているけれど、こうやって改めて話し合う機会ってなかなかないので、とてもいい機会でした。
_こうしてお話をうかがうと、普段こういうことを思ってされているということがよくわかるし。入園を考えておられる方にとっても、園で大事にされていることがよくわかるので、いい機会だなと思います。定期的にしていけたらなと思いますね。
3.自然保育のその後
_こども園になっての卒園生第一期生が4年生になりました。仲田さんは育親学園にも教えに行っておられますが、教育の継続性ということで感じることはありますか?
【仲田】
この園に来た時に思ったのは、いずれ小学校に行くときにもつながりを持たしておくことが一番大切だなということ。
小学校に行ったら友達が違うし、環境は違うし多分壁があるんですよ。そう考えると交流をしておくことが大事。そうやって壁を緩やかにしておくとスムーズに行ける。
知っている人がいて安心して普通の言葉で会話ができるというのが大切だし、必要なのかなと思ってますね。
特に育親学園の子は1年生から4年生で、ファーストステージいう形でやっていて、「ふるさと科」というのができて、私も教えに行っているんですけど、東本梅の子も本梅こども園の子もたくさんいるので、まあ向こうは僕のことを知ってる。こっちも知っている。
そういうつながりの中で、小学校ですので、当然遊びという形から少し離れて自然学習という形になっていく。
その中でやっぱり実際に自然体験を積んできているから、自分の言葉でしゃべれるし、わからないことを色々と聞いてくる。
やっぱりこども園で体験を積んで、学習へつながっていくっていうことは重要やし、そういうのがあると思いますね。
ファーストステージはいいと思いますよ。魅力があると思う。
その後セカンドステージ(5~7年)、サードステージ(8~9年)になると、もう授業というか地学とかの学習になってきますね。
_「自分の言葉で」というキーワードが出てきますね。
考えるのも、その自分の言葉で考えられるということですよね?どこかで聞いた借り物の思考じゃなくて。
【仲田】
そうそう、借り物思考ではないんですよ。
高校なんか行くとまさしくもうそれが確実にわかるんですよね。やっぱり知識と実体験が伴っている方がよりうまいこと思考力が深まるというか、そういうことも考えられますし。
しゃべるとか、相手とコミュニケーションをとるのにも役立つ気がします。
今ネットで検索して、色んなことを高校の探求学習とかでやるとね、こう、あたかもほんまのように言うんですけど。
いや、ほんまやと思うけれど「〇〇によると、そう言われている」ぐらいにしとかんことにはね。
例えば実際に自分たちでゴミを拾ってきて、ペットボトルが何パーセントあったとしたら、それはもう事実として言えるけど、単に言われてるだけのことを鵜呑みにして、それが全部正しいという感じで作り上げてしまうからね。
体験を積んでいたら自分の言葉で言えるから、そこはなんか必要だと思う。
例えば昆虫教室でも、虫の色んな部位とか名前とかを知っているのもいいんだけれど、それは、いつどういう環境にいるんだとか、いつ捕れるんだとか、いつは捕れないとかね。
日中にいるのか、昼間にいるのか、夜にいるのか、雨の日はいないとか、そういうことはあんまりどこにも載っていない。
それは体験を積んでいったら自分の言葉で言えるし、事実だから、あとはそこに知識を積んでいけばいい。
大人でもそうだと思うけど、何か経験を少しでもやっておいたら、次にいけるような気がしますね、どんなことでも。
第2回インタビュー「森の自然こども園東本梅の自然保育」